用語集(50音順)
買受指定者(かいうけしていしゃ)
- マンションの建替えまたは再建に参加しない区分所有者または敷地共有者等から土地・建物に関する権利を買い受ける者として指定された第三者。指定には、建替え・再建に参加する者の全員の同意を必要とする。買受指定者は、不参加者が有する区分所有権および敷地権利建を自己に売り渡すことを請求することができる。(区分所有法62条4項)
瑕疵(かし)
管理組合(かんりくみあい)
- マンションの建物・敷地・付属施設を管理するための区分所有者の組合。区分所有者は、マンションの建物・敷地・付属施設を管理するための団体を全員で当然に構成しているものとされている(区分所有法3条)。管理組合は、この区分所有者の団体を明確な形で積極的に組織し、表現したものである。管理組合は、区分所有者の団体として、区分所有法に従って集会を開き、規約を定め、管理者を置く。
管理者(かんりしゃ)
- 共用部分・敷地・付属施設など区分所有者の共有の財産の管理者。区分所有者が集会の決議によって選任する(区分所有法25条)。ただし、管理者を置くかどうかは、自由である。区分所有者の中から選任しても、第三者を選任してもよい。管理組合が設立されている場合には、理事長を選任して管理者の権限を与えるのが普通である。理事長の管理業務を補佐する役員として複数の理事が選任されることが多いが、理事は、規約上特別の定めがない限り、管理者ではない。管理者は、共有の財産の管理のほか、集会の決議を実行し、区分所有者を代理して保険契約をはじめ管理上必要な契約を行う(区分所有法26条)。集会において管理者の報酬を定めることもできる。
議決権(ぎけつけん)
- 集会において決議を行うにあたって、区分所有者が有する権利。議決権の大きさは、原則として、各区分所有者が有する持分の割合による(区分所有法38条)。持分は、それぞれの専有部分の床面積の割合によるが、規約で別段の定めをした場合には、それに従う(区分所有法14条)。
既存不適格建物(きそんふてきかくたてもの)
- 築造された当時においては建築基準法等建物形態規制を定める法令等の基準に適合していたが、その後の法令等の制定、改正、適用範囲の拡大等によって、現在において同一の形態の建築をすることが許されない建物。建替え、再建に際して、現行の容積規制、日影規制、道路斜線制限、用途制限等に適合しない被災マンションが少なくないため、復興を促進する観点から一定の限度のもとで緩和措置が講じられている。
北側斜線制限(きたがわしゃせんせいげん)
- 建築物の高さを北側全面道路の反対側の境界線または北側隣地境界線までの真北方向に計った水平距離に応じて規制する制限。北側隣地に対する日照などを確保することを目的としている。(建築基準法第56条1項3号)
規約(きやく)
- 建物・敷地・付属施設の管理および使用に関する区分所有者相互間の取決めについて定める文書(区分所有法30条)。規約は、集会において区分所有法およびその議決権の四分の三以上の多数をもって設定する。集会の変更および廃止についても同じ(区分所有法31条)。規約は、管理者が保管し、利害関係人の請求があれば、閲覧させる(区分所有法33条)。管理者がいない場合には、集会で保管者を選任する。規約の標準的なあり方を示すために、昭和58年10月に「中高層共同住宅標準管理規約」が建設省によって定められている。
共有持分(きょうゆうもちぶん)
- 各区分所有者が共用部分および共有の敷地・付属施設に対して有する権利。この権利の割合を指して共有持分という場合もある。その場合には、持分の大きさを○○○分の○○というように分数で表現するのが通例である。
共用部分(きょうようぶぶん)
- 数個の専有部分に通じる廊下、階段室など構造上区分所有者の全員または一部の共同の利用にあてられる部分(区分所有法4条1項)。法律上の定義としては、まず、専有部分が決まるので、共用部分とは「専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の付属物および規約によって共用部分とされた付属の建物」ということになる(区分所有法2条4項)。共用部分は、それを共同で利用する区分所有者の全員または一部の共有とされる。
区分所有・区分所有権・区分所有者(くぶんしょゆう・けん・しゃ)
- 一棟の建物に、独立して住居、店舗、事務所、倉庫などに用いることができる構造上区分された数個の部分がある場合に、それぞれを別人が所有することができる(区分所有法1条)。このような所有の仕方を「区分所有」といい、所有の権利を「区分所有権」といい(区分所有法2条1項)、区分所有権を有する者を「区分所有者」という(区分所有法2条2項)。また、区分所有権の目的となる建物の部分を「専有部分」という(区分所有法2条3項)。
区分所有建物(くぶんしょゆうたてもの)
- 一棟の建物のうち「構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるもの」があるとき、その各部分は、所有権の目的とすることができる(区分所有法1条)。
区分所有者の団体(くぶんしょゆうしゃのだんたい)
- 区分所有法は、共用部分の管理や変更、規約の設定・変更・廃止、義務違反者に対する措置、一部滅失の場合の復旧や建替えなどを一定の要件のもとに多数決で決定することを認めている。その根拠として、区分所有者は単なる共有者ではなく、団体を構成してその拘束に服しているものとみなしている(区分所有法3条)。この団体は建物について区分所有の関係が成立するところでは当然に存在するが、建物自体が滅失すると区分所有の関係も消滅するので、団体(および団体としての拘束)もまた消滅する。
建蔽率制限(けんぺいりつせいげん)
- 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度の制限。建築面積を敷地面積で割った値を都市計画で定められる割合以下としなければならない。(建築基準法第53条)
再建(さいけん)
- マンションが災害によって滅失したのち敷地の共有者が新たな区分所有の建物を築造すること。原則として敷地共有者全員の同意をもって行うが、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」は、政令で定める災害によって滅失したマンションについて多数決によって「再建」を決議することを認めた。同法が適用される災害であることを定めた政令の施行の日から3年以内であれば、敷地の共有持分等の五分の四以上の多数によって「再建」を決議することができる(同法2・3条)。
再建組合(さいけんくみあい)
- マンションの建替えまたは再建(以下、この項目に限り、「再建」と省略)を共同の事業として設立される民法上の組合。「再建」の参加者または買受指定者が「再建」に参加しない区分所有者または敷地共有者等から区分所有権および敷地利用権を取得したとき、「再建の合意」をしたものとみなされ(区分所有法64条)、この合意によって従前の区分所有者の団体とは完全に別個の「再建」のための団体を構成することとなる。再建組合は、この団体を明確な形で積極的に組織し、表現したものである。組合員は、集会を開き、規約を定め、業務執行組合員(理事長)を選任することができる。組合員は、組合に敷地利用権または金銭を出資する。出資された財産は組合財産として組合員の共有となる(民法667条以下)。
更地(さらち)
敷地(しきち)
- マンションの敷地として使用されている土地。通常は、区分所有者が共有持分を有するが、敷地利用権が借地権である場合には、区分所有者は借地権の準共有持分を有することとなる。
敷地共有者等(しきちきょうゆうしゃとう)
- マンションの区分所有者は同時に敷地の共有者または敷地借地権の準共有者であるが、建物が存在している限り区分所有者としての資格で議決権を行使するため、敷地の共有者または敷地借地権の準共有者という資格で議決権を行使することはない。これに対して、マンションが全壊(滅失)して区分所有の関係が消滅したのちは、敷地の共有者または敷地借地権の準共有者という資格のみが残るので、滅失した建物の「再建の決議」についてこの資格を議決要件としている。その場合に、敷地の共有者と敷地借地権の準共有者をまとめて「敷地共有者等」と呼んでいる(再建措置法2・3条)
敷地権(しきちけん)
- 区分所有建物の敷地に関する権利。所有権、地上権、賃借権、使用貸借権などの種別がある。
敷地利用権(しきちりようけん)
- 敷地に対する区分所有者の権利を「敷地利用権」という。敷地利用権は、規約によって特別の定めをしない限り、専有部分と分離して処分することができないという重要な制限がある(区分所有法22条)。
集会(しゅうかい)
- 区分所有者の意思決定期間。集会は、管理者(理事長)が、少なくとも毎年1回、1週間前に議題を明示した通知によって招集する。管理組合があるところでは、年次総会がこれにあたる。必要があれば随時、管理者が招集して開催。管理者がいない場合または管理者が招集しない場合には、区分所有者および議決権の五分の一以上によって招集することができる(区分所有法34条)。
準共有持分(じゅんきょうゆうもちぶん)
- マンションの敷地利用権が土地所有権でなく借地権である場合に、各区分所有者が有する借地権の持分を「借地権の準共有部分」という。一個の借地権を数人で有している関係である。所有権を共同で有することを「共有」というのに対して、所有権以外の権利を共同で有することを「準共有」という。
準占有(じゅんせんゆう)
- 物以外の財産権を事実的に支配する場合のこと。地役権、抵当権などの物権、著作権、特許権、商標権などの無体財産権が対象になる(民法205条)。
占有(せんゆう)
占有者(せんゆうしゃ)
- 物を事実上支配している者。所有者でも賃借人でも、違法でも適法でも排他的に建物の全部あるいは一部を占有し使用している者のこと。
専有部分(せんゆうぶぶん)
- 建物の部分に区分所有権が成立しているとき、その部分を「専有部分」という(区分所有法2条3項)。ちなみに、建物の構造上区分され、かつ、独立した用途に供することができる部分(区分所有権の目的とすることができる部分)が数個あっても、同一人が所有している限り、「専有部分」とはならない。
総合設計制度(そうごうせっけいせいど)
- 一定規模以上の敷地面積を有し、かつ、一定割合以上の敷地内空地を確保する建築計画に対して、計画を総合的に判断して市街地の環境の整備改善及び良好な市街地住宅の供給の促進に資すると認められる場合に、容積率制限及び高さ制限を、建築基準法に基づく許可により緩和することができる制度。(建築基準法59条の2)
底地(そこち)
- 借地権が設定されている土地の所有権を借地権が存在する状態で譲渡したり、担保に入れたりする場合に、取引実務上、その土地を「底地」と呼ぶ。
建替え(たてかえ)
- 現に存在するマンションを取り壊して新しい区分所有の建物を建てること。区分所有者の全員の同意をもってするのが原則であるが、老朽、損傷、一部の滅失等によって建物の効用の維持・回復に過分の費用がかかるという場合には、区分所有法62条に従って、多数決で建替えの決議をすることができる。
建物の区分所有等に関する法律
(たてもののくぶんしょゆうとうにかんするほうりつ)
- 区分所有者がマンションの建物、敷地および付属施設の管理をする際の基本原則を定めた法律。昭和37(1962)年に制定され、昭和58(1983)年に全面的に改正された。その第8節が「復旧及び建替え」について規定している(61〜64条)。
団地(だんち)
- 一団をなす土地に存在する数棟の建物の所有者が建物の敷地または付属施設を共有する場合を区分所有法で「団地」という。共有の関係がなければ「団地」とならないことに注意。区分所有法は、第一章「建物の区分所有」について定めたのち、第二章で「団地」について定める。立法当時は、数棟の戸建建物がその敷地を共有している場合に区分所有法の規定の一部を準用することを考えていたが、今日では、数棟のマンションが敷地等を共有している場合を想定して法律の解釈・運用がなされている。「団地」には「団地管理組合」が設けられ、「団地管理規約」が定められるのが通例である。
定期借地権(ていきしゃくちけん)
- 約定の存続期間の満了によって当然に終了する借地権。借地契約を行うにあたって、存続期間を50年以上とする場合に借地権の更新および建物の構造による存続期間の延長がない旨の特約をすることによって定期借地権となる(借地借家法2条)。定期借地契約においては、借地権の終了時に建物の買取りを請求しない旨の特約をすることも認められる。今日、新たな宅地供給の方式として注目されるとともに、区分所有建物の建替え・再建資金を調達する方法として活用することも検討されている。
道路斜線制限(どうろしゃせんせいげん)
- 建築物の高さを全面道路の反対側の境界線までの水平距離に一定の割合を乗じたもの以下に規制する制限。道路を挟んで向かい合う建築物の環境および道路上の日照、通風、採光などを確保することを目的としている。(建築基準法第56条1項1号)
特定承継人(とくていしょうけいにん)
日影規制(にちえいきせい)
- 住居用途地域等において、中高層の建築物によって生じる日影時間を一定の基準以下に制限したもの。(建築基準法第56条の2)
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法
(ひさいくぶんしょゆうたてもののさいけんとうにかんするとくべつそちほう)
- マンションが災害によって全壊(滅失)した場合に、従前の区分所有者が多数決で建物の再建を決議することができること、共有の敷地について一定期間分割の請求をすることができないことなどの措置を定めた法律。大規模の火災、震災、その他の災害で政令で定めるものに適用される。
復旧(ふっきゅう)
- マンションの一部が事故や災害で滅失した場合にそれを修復すること。共用部分の復旧の費用は区分所有者が共有持分に従って負担する原則があることから、区分所有法は、復旧の決議をするための議決要件を滅失の度合いによって分けている(61条)。滅失の度合いが大きい場合に議決要件が厳しくなることに注意。
包括承継人(ほうかつしょうけいにん)
- 相続などで譲渡人の権利義務の一切を包括して承継した人のこと。
マンション
- 構造的に堅固な建物で、1棟の建物が構造上数個の部分に区画されていて、それぞれ独立して住居として使用できるようになっている中高層の集合住宅ないし共同住宅のことをいう。本来は大邸宅という意味の言葉であったが、販売政策上、アパートメントハウス(apartment
house)というよりマンションと言ったほうが売りやすいという事情から、使われるようになった。欧米圏では分譲マンションは、コンドミニアム(condominium)と言った方が通じる。
有効公開空地(ゆうこうこうかいくうち)
- 日常一般に開放され、歩行者が自由に通行又は利用できる敷地内の空地又は空地の部分(「公開空地」という)に、その有効性によって係数を乗じたもので、総合設計においては、この有効公開空地の敷地面積に対する割合(有効公開空地率)に応じて容積の割増し量が決まる。
容積率制限(ようせきりつせいげん)
- 建築物の延床面積の敷地面積に対する割合の最高限度の制限。延床面積を敷地面積で割った値を、都市計画で定められた指定容積率と道路幅員12m未満の道路に接する場合の制限のいずれか厳しい方の数値以下としなければならない。(建築基準法第52条)
用途制限(ようとせいげん)
- 都市計画によって定められた用途地域によって、建築できる建物の用途を制限したもの。(建築基準法第48条)
隣地斜線制限(りんちしゃせんせいげん)
- 建築物の高さを隣地境界線までの水平距離に応じて規制する制限。隣接する敷地に対する採光、通風などを確保することを目的としている。(建築基準法第56条1項2号)
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