李徴 即興の詩解釈
偶因狂疾成殊類 偶狂疾に因りて 殊類と成る ふとしたことから心を病んで狂気の結果、実は獣となってしまった 災患相仍不可逃 災患相仍り 逃るべからず 災難が内からも外からも重なって、この運命から逃れることができない 今日爪牙誰敢敵 今日爪牙 誰か敢へて敵せん 虎の身となった今日では、誰が敢えて敵対することができようか、誰も敵対できない 当時声跡共相高 当時声跡 共に相高し 以前進士に登第したあの頃は、私も君もともに秀才として誉められたものだ 我為異物蓬茅下 我は異物と為る 蓬茅の下 ところが今、自分は獣となって草むらに隠れ、 君已乗ヨウ気勢豪 君は已にヨウに乗りて 気勢豪なり 君は出世してショウ車に乗って、すばらしい権勢である。 此夕渓山対明月 此の夕べ 渓山 明月に対し この夕べ、谷川や山を照らす名月に向き合い、 不成長嘯但成コウ 長嘯を成さず 但だコウを成す 私は長く詩を吟ずることなく、悲しみのあまり短くほえ叫ぶばかりである 戻る